WordPress 6.1で何が変わるのか?新機能や変更点
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2022年11月1日(米国時間)にWordPress 6.1「Misha」がリリースされました。WordPress 6.1(ワードプレス 6.1)で何が変わるのか、新機能や変更点をご紹介します。現在、WordPress 6.1に更新することが可能です。
WordPress 6.1のリリース日
WordPress 6.1は、2022年11月1日(米国時間)にリリースされました。
1つ前のバージョンであるWordPress 6.0は、2022年5月24日にリリースされました。リリースの間隔は159日です。
WordPress 6.1がリリースされるまでのスケジュールは以下の通りです。開発状況によっては変更される可能性があります。
日付 | 内容 |
---|---|
2022年9月21日 | ベータ1 |
2022年9月27日 | ベータ2 |
2022年10月4日 | ベータ3 |
2022年10月11日 | リリース候補版1 |
2022年10月18日 | リリース候補版2 |
2022年10月25日 | リリース候補版3 |
2022年10月27日 | リリース候補版4 |
2022年10月28日 | リリース候補版5 |
2022年10月31日 | ドライラン |
2022年11月1日 | リリース |
その他のバージョンのリリース日については、以下のページをご参照ください。
WordPressのバージョン一覧(リリース日/コードネーム)
WordPress 6.1のコードネーム
WordPressのコードネームは、ジャズミュージシャンの名前に由来しています。
WordPress 6.1のコードネームは、ソビエト系ノルウェー人のジャズ ピアニストであるMikhail “Misha” Alperin(ミハイル・ミシャ・アルペリン)にちなんでMisha(ミーシャ)と名付けられました。
参考として、これまでのバージョンのコードネームは以下の通りです。
バージョン | コードネーム | ミュージシャン |
---|---|---|
WordPress 6.0 | Arturo(アルトゥーロ) | Arturo O’Farrill |
WordPress 5.9 | Josephine(ジョセフィン) | Joséphine Baker |
WordPress 5.8 | Tatum(テイタム) | Art Tatum |
WordPress 5.7 | Esperanza(エスペランサ) | Esperanza Spalding |
WordPress 5.6 | Simone(シモン) | Nina Simone |
WordPress 6.1のサーバー要件
WordPress 6.1を動作させるためには、以下の要件を推奨します。
- PHP 7.4 以上
- MySQL 5.7 以上、またはMariaDB 10.3 以上
- Nginx あるいは Apache
WordPressの各バージョンにおけるPHPおよびMySQLの推奨バージョンについては、以下のページをご参照ください。
WordPressのサーバー要件とは?各バージョンの推奨環境
WordPress 6.1の入手方法
WordPress 6.1はダウンロードページから入手できます。
WordPressのダウンロード方法は下記の記事を説明しています。
WordPressをダウンロードする方法(ダウンロードサイト/ページ)
WordPress 6.1のアップデート方法
WordPress 6.1に更新するにはダッシュボードの更新ページで今すぐ更新ボタンをクリックします。
メジャーアップデート前には必ずファイルとデータベースのバックアップをとりましょう。
更新中はメンテナンスモードになります。
WordPress 6.1のベータ版を試すには?
WordPressはリリース前にベータ版が提供されています。ローカル環境にベータ版をインストールして事前に動作を確認できます。
ベータ版は、開発中にデータベース構造が更新されることがあります。本番のWebサイトでの使用はご遠慮ください。
以下のページを参考に、ローカル環境にWordPressをインストールしてください。
WordPressをローカル環境にインストールする方法
WordPress 6.1のベータ版を試すには、WordPress Beta Testerプラグインをインストールします。WordPress Beta Testerの使い方は以下のページをご参照ください。
WordPress Beta Tester プラグインの使い方
WordPress 6.1の新機能と変更点
WordPress 6.1は、2022年の3回目のメジャーリリースとなります。350以上のエディターの機能強化および350のバグ修正が含まれています。
WordPress 6.1のベータ版をローカル環境にインストールし、新機能や変更点をチェックしました。
以下はベータ版の情報です。変更される可能性がありますのでご注意ください。
Twenty Twenty-Three
WordPress 6.1では、新しいデフォルトテーマであるTwenty Twenty-Three(TT3)が導入されます。

無駄をそぎ落としたミニマルなテーマをベースに、コミュニティのメンバーがデザインした10種類のスタイルが収録されています。
WordPress 5.9で導入された「Twenty Twenty-Two」に続いて2つ目のブロックテーマです。
ブロックテーマについては以下の記事をご参照ください。
WordPressのブロックテーマとは?おすすめのブロックテーマ7選
Twenty Twenty-Threeを有効にする方法は以下の通りです。
- 外観をクリック
- 有効化をクリック

Twenty Twenty-Threeが有効になりました。

タイポグラフィ・色・レイアウトが異なる10種類のスタイルが用意されています。
お好みのスタイルを選択するだけで簡単にサイト全体のデザインを変更することができます。

ブロックエディター
WordPress 6.1には、Gutenbergプラグインの13.1から14.1までの機能がマージされました。その中から注目の機能を紹介します。
画像ブロックに枠線コントロールが追加
画像ブロックに枠線を指定できるようになりました。色や太さも変更できます。

上下左右の枠線をそれぞれ異なる色や太さにすることも可能です。

カバーブロックにアイキャッチ画像を使用
カバーブロックでアイキャッチ画像を使用できるようになりました。好きな位置にアイキャッチ画像を表示することができます。

リストブロックで項目の移動が可能
リストブロックにおいて、項目(List item)を上下に移動できるようになりました。リスト表示でもドラッグで項目を移動できます。

パディングとマージンの視覚化
すべてのブロックでパディングとマージンを調整すると青色で強調表示されるようになりました。
このビジュアライザーが追加されたことで、直観的に数値の影響を把握することができます。

見出しにフォント指定
見出しブロックでフォントを指定できるようになりました。

読むための推定時間が追加
「詳細」に読むための推定時間(Time to read)が追加されました。記事を読むのに読者がどれくらいの時間を要するかを確認できます。
1分あたり平均189文字で計算されています。

サイドバーのデザイン改善
URL(パーマリンク)やテンプレートがサイドバーの概要(Summary)内に移動しました。それぞれのリンクをクリックするとポップアップが表示され、設定などを変更できます。

追加できるテンプレートタイプの拡張
ブロックテーマで作成できるテンプレートの数がWordPress 6.0から増えました。固定ページや投稿が追加されています。

エディタの設定がサーバーに保存
エディターの設定がブラウザーではなくサーバーのデータベースに保存されるようになりました。
他のデバイスでログインした際に同じエディターの設定が適用されます。

キャッチフレーズがデフォルトで空に
キャッチフレーズにはデフォルトで「Just another WordPress site」が登録されていましたが、空になりました。
プレースホルダーとして「Just another WordPress site」が指定されています。

データベースのパフォーマンスが大幅に改善
WordPress 6.1では、WP_Queryのデータベースクエリがキャッシュされるようになったことにより、データベースのパフォーマンスが大幅に改善されました。
WebPへの自動変換は見送り?
WordPress 5.8からメディアライブラリにWebPをアップロードできるようになりました。WebP(ウェッピー)とは、Googleが開発した新しい画像フォーマットです。
WebPについては以下のページをご参照ください。
WordPress 5.8でWebPを正式にサポート
WordPress 5.8の時点では、アップロードしたJPEG画像から自動的にWebPへ変換することはできませんでした。
WordPress 6.1からWebPへの自動変換機能が導入される予定でしたが、議論の結果、WordPress本体での機能追加は見送りになりました。
WordPress本体に機能は追加されませんでしたが、WordPressのパフォーマンスチームが管理するPerformance Labというプラグインを使用することでWebPへの自動変換機能を試すことができます。
Performance Labは、サイトのパフォーマンスを向上させることに重点を置いたベータテストプラグインです。WordPress本体に機能を組み込む前にテストすることを目的としているため本番環境での利用はご注意ください。
開発者向けの変更点
テーマやプラグインの開発者向けに次の変更点があります。
画像にdecoding=”async”が追加
デフォルトで画像に「decoding=”async”」が付くようになりました。
theme.jsonに追加された機能
ボタンのデフォルトスタイル
WordPress 6.1から、theme.jsonを使用してボタンのデフォルトのスタイルをテーマに追加できるようになりました。
例えば、ボタンのデフォルトの背景を赤色にしたい場合は、下記のようにtheme.jsonに記述します。
{
"styles": {
"elements": {
"button": {
"color": {
"background": "red"
}
}
}
}
}
ボタンのデフォルトの背景が赤になりました。

新しく追加された関数
wp_refresh_metabox_loader_nonces
ブロックエディターのメタボックスで使用されているnonceをリフレッシュします。
get_template_hierarchy
作成される指定されたテンプレートスラッグに対応するテンプレート階層を取得します。
update_role
既存のロールを更新します。ロールが存在しない場合、新規に作成します。
wp_add_global_styles_for_blocks
各ブロックのインラインスタイルにグローバルスタイルルールを追加します。
is_login_screen
現在の要求がログイン画面に対するものであるかどうかを判断します。
did_filter
現在のリクエストの間にフィルターが適用された回数を取得します。
wp_get_latest_revision_id_and_total_count
ある投稿の最新のリビジョン ID とリビジョン数を返します。
is_term_publicly_viewable
タームが一般に公開されているかどうかを判断します。
新しく追加されたフィルターフック
lost_password_html_link
紛失したパスワードをリセットするためのリンクをフィルターにかけます。
ajax_term_search_results
Ajaxによってタームの検索結果をフィルタリングします。
site_status_persistent_object_cache_url
永続オブジェクトキャッシュ健全性チェックのアクションURLをフィルタリングします。
site_status_persistent_object_cache_notes
ヘルスチェックの説明の2段落目をフィルタリングします。
site_status_page_cache_supported_cache_headers
core がサポートするキャッシュヘッダのリストをフィルタリングします。
site_status_good_response_time_threshold
応答時間が良好と判断される閾値をフィルタリングします。
site_status_should_suggest_persistent_object_cache
永続的なオブジェクトキャッシュの使用を推奨し、デフォルトの閾値チェックを回避するかどうかをフィルタリングします。
site_status_persistent_object_cache_thresholds
永続オブジェクトキャッシュの使用を推奨するかどうかを決定するために使用する閾値をフィルタリングします。
site_status_available_object_cache_services
ユーザーが利用できる永続オブジェクトキャッシュサービスをフィルタリングします。
wp_read_audio_metadata
オーディオファイルから取得したメタデータの配列にフィルタをかけます。
wp_list_authors_args
サイトのすべての作者のリストに対するクエリ引数をフィルタリングします。
pre_wp_list_authors_post_counts_query
作者の投稿数のクエリを短絡的に実行するかどうかをフィルタリングします。
query_loop_block_query_vars
クエリループブロックの WP_Query
に渡される引数をフィルタリングします。
theme_json_default
グローバルスタイルと設定のためにWordPressによって提供されるデフォルトデータをフィルタリングします。
theme_json_theme
グローバルなスタイルと設定のためにテーマから提供されるデータをフィルタリングします。
theme_json_blocks
ブロックから提供されるデータを、グローバルなスタイルと設定のためにフィルタリングします。
theme_json_user
グローバルなスタイルと設定のために、ユーザーから提供されたデータをフィルタリングします。
theme_json_get_style_nodes
スタイルノードのリストをメタデータでフィルタリングします。
feed_links_extra_show_post_comments_feed
投稿コメントフィードのリンクを表示するかどうかをフィルタリングします。
feed_links_extra_show_post_type_archive_feed
投稿タイプのアーカイブフィードリンクを表示するかどうかをフィルタリングします。
feed_links_extra_show_category_feed
カテゴリフィードリンクを表示するかどうかをフィルタリングします。
feed_links_extra_show_tag_feed
タグフィードリンクを表示するかどうかをフィルタリングします。
feed_links_extra_show_tax_feed
カスタムタクソノミーフィードリンクを表示するかどうかをフィルタリングします。
feed_links_extra_show_author_feed
作者のフィードリンクを表示するかどうかをフィルタリングします。
feed_links_extra_show_search_feed
検索結果のフィードリンクを表示するかどうかをフィルタリングします。
wp_required_field_indicator
フォームの必須項目を視覚的に表示するためのマークアップをフィルタリングします。
wp_required_field_message
フォームの必須項目を説明するためのメッセージをフィルタリングします。
the_posts_pagination_args
投稿のページネーションリンクの引数をフィルタリングします。
wp_img_tag_add_decoding_attr
画像に追加する decoding
属性の値をフィルタリングします。デフォルトは async
です。
pre_option
既存のすべてのオプションの値を取得する前にフィルタリングします。
wp_send_new_user_notification_to_admin
新規ユーザー登録の際に管理者に通知するかどうかをフィルタリングします。
wp_send_new_user_notification_to_user
新規ユーザー登録の通知を行うかどうかをフィルタリングします。
post_class_taxonomies
タクソノミをフィルタリングして、個々のタームに対応するクラスを生成します。
get_header_image
ヘッダー画像のURLをフィルタリングします。
wp_list_users_args
サイトの全ユーザーのリストに対するクエリ引数をフィルタリングします。
rest_json_encode_options
REST API のレスポンス送信に使用する JSON エンコーディングのオプションをフィルタリングします。
新しく追加されたアクションフック
cron_reschedule_event_error
cronイベントの再スケジューリングでエラーが発生した場合に実行します。
cron_unschedule_event_error
cronイベントのスケジュール解除でエラーが発生した場合に実行します。
wp_before_load_template
テンプレートファイルがロードされる前に実行します。
wp_after_load_template
テンプレートファイルが読み込まれた後に実行します。
WordPress 6.1からダウングレードするには?
WordPress 6.1にアップデートして問題が見つかった場合、WP Downgrade | Specific Core Versionをインストールすることでダウングレードできます。
過去のアップデート内容
これまでのWordPressのアップデートについては、以下の記事で紹介しています。
WordPress 6.0で何が変わるのか?新機能や変更点
WordPress 5.9で何が変わるのか?新機能や変更点
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