WordPress 6.0で何が変わるのか?新機能や変更点

最終更新日:

2022年5月24日(米国時間)にWordPress 6.0「Arturo」がリリースされました。現在、WordPress 6.0(ワードプレス 6.0)に更新することが可能です。WordPress 6.0で何が変わるのか、新機能や変更点をご紹介します。

WordPress 6.0のリリース日

WordPress 6.0は、2022年5月24日(米国時間)にリリースされました。

リリースまでのスケジュールは以下の通りです。

日付内容
2022年4月12日Beta1
2022年4月19日Beta2
2022年4月26日Beta3
2022年5月2日Beta4
2022年5月3日リリース候補版1
2022年5月10日リリース候補版2
2022年5月17日リリース候補版3
2022年5月23日ドライラン
2022年5月24日リリース

その他のバージョンのリリース日については、以下のページをご参照ください。

WordPress 6.0のコードネーム

WordPressのコードネームは、ジャズミュージシャンの名前に由来しています。

WordPress 6.0のコードネームは、グラミー賞を受賞したジャズミュージシャンであるArturo O’Farrill(アルトゥーロ・オファリル)にちなんでArturo(アルトゥーロ)と名付けられました。

これまでのバージョンのコードネームは以下の通りです。

バージョンコードネームミュージシャン
WordPress 5.9Josephine(ジョセフィン)Joséphine Baker
WordPress 5.8Tatum(テイタム)Art Tatum
WordPress 5.7Esperanza(エスペランサ)Esperanza Spalding
WordPress 5.6Simone(シモン)Nina Simone

WordPress 6.0のサーバー要件

WordPress 6.0を動作させるためには、以下の要件を推奨します。

WordPressの各バージョンにおけるPHPおよびMySQLの推奨バージョンについては、以下のページをご参照ください。

WordPress 6.0の入手方法

WordPress 6.0はダウンロードページから入手できます。

WordPressのダウンロード方法は下記の記事を説明しています。

WordPress 6.0のアップデート方法

WordPress 6.0に更新するにはダッシュボードの更新ページで今すぐ更新ボタンをクリックします。

メジャーアップデート前には必ずファイルとデータベースのバックアップをとりましょう。

更新中はメンテナンスモードになります。

WordPress 6.0のベータ版を試すには?

WordPress 6.0のベータ版を、リリース前にお試しいただけます。

ベータ版は、開発中にデータベース構造が更新されることがあります。本番のWebサイトでの使用はご遠慮ください。

以下のページを参考に、ローカル環境にWordPressをインストールしてください。

WordPress 6.0のベータ版を試すには、WordPress Beta Testerプラグインをインストールします。

WordPress 6.0の新機能と変更点

WordPress 6.0では、500以上の機能強化と400以上のバグフィックスが行われました。

WordPress 6.0では、以下の新機能や変更点があります。

ブロックエディター

新しいブロック

コメントクエリループ、結果なし、続きを読む、投稿者の経歴、アバターなどの新しいブロックが追加されました。

コメントクエリループは、投稿コメントを様々なビジュアル設定で表示できる高度なブロックです。

コメントクエリループ

結果なしは、クエリ結果が見つからない場合に、コンテンツのレンダリングに使用される要素を含みます。

結果なしは、クエリループブロック内だけに追加することができます。

結果なし

続きを読むは、投稿、固定ページ、その他のコンテンツタイプのリンクを表示します。

続きを読む

投稿者の経歴は、作者の経歴を表示します。

投稿者の経歴

アバターは、ユーザーのアバターを追加します。アバターの画像のサイズや表示するアバターユーザーを選択できます。

アバター

新しいブロック変換

段落ブロックからコードブロックに変換できるようになりました。他にもグループから行、タグクラウドからカテゴリなどが変換できるようになりました。

新しいブロック変換

ブロックスタイルの維持

ブロックを変換した際に色やタイポグラフィなどのスタイルを維持します。例えば、色を設定した段落ブロックを見出しブロックに変換すると色も維持されます。

WordPress 6.0より前のバージョンではブロックスタイルは維持されません。

ブロックスタイルの維持

ソーシャルアイコンにラベルを表示

ソーシャルアイコンでラベルを表示できるようになりました。

ソーシャルアイコンにラベルを表示

タグクラウドに輪郭スタイルが追加

タグクラウドに輪郭スタイルが新しく追加されました。

タグクラウドに輪郭スタイルが追加

カバーブロックでアイキャッチ画像を使用

カバーブロックでアイキャッチ画像を使用できるようになりました。

カバーブロックでアイキャッチ画像を使用

クエリブロックの機能追加

クエリブロックでカスタムタクソノミーをサポートするようになりました。複数のタグや投稿者(著者)で絞り込むことができます。

クエリブロックの機能追加

複数のブロックからテキストを選択

複数のブロックからテキストを選択し、一度に編集できるようになりました。WordPress 6.0より前のバージョンではブロック全体が選択されます。

複数のブロックでテキストを選択

リンクメニューに素早くアクセス

キーボードショートカットを使用して内部リンクを挿入できるようになりました。2つのカギ括弧[[を入力すると、リンクメニューが表示されます。

リンクメニューに素早くアクセス

リスト表示の改善

リスト表示内においてショートカット(Shift+ClickもしくはShift+↑↓)で複数のブロックを選択できるようになりました。

複数のブロックをドラッグ&ドロップで移動することも可能です。

リスト表示の改善

ブロックをロック

ブロックをロックできるようになりました。ブロックの移動、ブロックの削除、またはその両方を無効にすることができます。

ブロックをロック

ブロックのロックを使用しない場合は無効化できます。以下の記事でブロックのロックを無効化する方法を紹介しています。

公開する前にタグやカテゴリーをリマインダー

タグやカテゴリーが設定されていない場合、公開前にタグやカテゴリーを追加するように提案されます。

公開する前にタグやカテゴリーをリマインダー

ブロックテーマ

スタイルの切り替え(スタイルスイッチャー)

事前に用意されたスタイルを選択するだけで、テーマを変更せずにサイト全体のスタイルを変更できます。

Twenty Twenty-Twoには、異なるタイポグラフィや色が設定された4つの表示スタイルが用意されています。

スタイルの切り替え

新しいテンプレートの追加

テンプレートに投稿者、カテゴリー、日付、タグ、タクソノミーが追加されました。

新しいテンプレートの追加

エクスポート

変更したブロックテーマをZipファイルとしてエクスポートすることができます。他のWordPressにインポートすることが可能です。

エクスポート

開発者向けの変更点

テーマやプラグインの開発者向けに次の変更点があります。

Webfonts API

PHPやtheme.jsonから新しいWebフォントを登録できるようになりました。

theme.jsonの場合、fontFamiliesを下記のように編集します。

"fontFamilies": [
    {
        "fontFamily": "-apple-system,BlinkMacSystemFont,\"Segoe UI\",Roboto,Oxygen-Sans,Ubuntu,Cantarell,\"Helvetica Neue\",sans-serif",
        "name": "System Font",
        "slug": "system-font"
    },
    {
        "fontFamily": "\"Source Serif Pero\", serif",
        "name": "Source Serif Pero",
        "slug": "source-serif-pero",
        "fontFace": [
            {
                "fontFamily": "Source Serif Pero",
                "fontWeight": "200 900",
                "fontStyle": "normal",
                "fontStretch": "normal",
                "src": [ "file:./assets/fonts/SourceSerif4Variable-Roman.ttf.woff2" ]
            },
            {
                "fontFamily": "Source Serif Pero",
                "fontWeight": "200 900",
                "fontStyle": "italic",
                "fontStretch": "normal",
                "src": [ "file:./assets/fonts/SourceSerif4Variable-Italic.ttf.woff2" ]
            }
        ]
    }
],

PHPの場合、functions.phpに下記を追加します。

add_action( 'after_setup_theme', function() {
	if ( ! function_exists( 'wp_register_webfonts' ) ) {
		return;
	}
	wp_register_webfonts(
		array(
			array(
				'font-family'  => 'Random Font Name',
				'font-weight'  => '200 900',
				'font-style'   => 'normal',
				'font-stretch' => 'normal',
				'src'          => array( 'file:./assets/fonts/SourceSerif4Variable-Roman.ttf.woff2' ),
			),
			array(
				'font-family'  => 'Random Font Name',
				'font-weight'  => '200 900',
				'font-style'   => 'italic',
				'font-stretch' => 'normal',
				'src'          => array( 'file:./assets/fonts/SourceSerif4Variable-Italic.ttf.woff2' ),
			),
		)
	);
} );

WordPress 6.0で追加されたフィルターフック

フィルターフック説明
media_date_column_timeメディア一覧表に表示される添付ファイルの公開時刻をフィルタリングします
plugin_install_descriptionプラグイン追加画面で、プラグインカードの説明をフィルタリングします
edit_custom_thumbnail_sizes画像編集のオプションとして、カスタムサイズに対応したフィルターが用意されています
wp_admin_bar_show_site_iconsツールバーにサイトアイコンを表示するかどうかをフィルタリングします
the_author_link作者URLリンクのHTMLをフィルタリングします
register_{$post_type}_post_type_args特定の投稿タイプを登録するための引数をフィルタリングします
register_{$taxonomy}_taxonomy_args特定のタクソノミーを登録するための引数をフィルタリングします
pre_wp_filesizePHPの関数が実行される前にwp_filesizeの結果にフィルタをかけます
wp_filesizeファイルサイズをフィルタリングします
wp_content_img_tagコンテンツ内のimgタグを、指定されたコンテキストでフィルタリングします
term_exists_default_query_args用語が存在するかどうかを確認するためのデフォルトのクエリ引数をフィルタリングします
wp_is_large_user_countユーザー数に基づいて、サイトが大規模とみなされるかどうかをフィルタリングします
send_retrieve_password_emailパスワード取得メールを送信するかどうかをフィルタリングします
retrieve_password_notification_emailユーザーに送信されるパスワード再設定通知メールの内容をフィルタリングします

WordPress 6.0で追加されたアクションフック

アクションフック説明
registered_post_type_{$post_type}特定の投稿タイプが登録された後に発火します
registered_taxonomy_{$taxonomy}特定のタクソノミーが登録された後に発生します

ダウングレードするには?

WordPress 6.0にアップデートして問題が見つかった場合、WP Downgrade | Specific Core Versionをインストールすることでダウングレードできます。

次のアップデート

過去のアップデート内容

これまでのWordPressのアップデートについては、以下の記事で紹介しています。

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