WordPress 5.9で何が変わるのか?新機能や変更点

最終更新日:

2022年1月25日にWordPress 5.9「Josephine」がリリースされました。現在、WordPress 5.9(ワードプレス 5.9)に更新することが可能です。WordPress 5.9で何が変わるのか、新機能や変更点をご紹介します。

WordPress 5.9のリリース日

WordPress 5.9は、2022年1月25日(米国時間)にリリースされました。

当初2021年12月14日にリリースされる予定でしたが、解決していないバグが多かったため延期されました。

リリースまでのスケジュールは以下の通りです。

日付内容
2021年11月30日Beta1
2021年12月7日Beta2
2021年12月14日Beta3
2021年12月21日Beta4
2022年1月4日リリース候補版1
2022年1月11日リリース候補版2
2022年1月18日リリース候補版3
2022年1月24日ドライラン
2022年1月25日リリース

その他のバージョンのリリース日については、以下のページをご参照ください。

WordPress 5.9のコードネーム

WordPressのコードネームは、ジャズミュージシャンの名前に由来しています。

WordPress 5.9のコードネームは、国際的なジャズ歌手のJoséphine Baker(ジョセフィン・ベイカー)にちなんでJosephine(ジョセフィン)と名付けられました。

バージョンコードネームミュージシャン
WordPress 5.9Josephine(ジョセフィン)Joséphine Baker
WordPress 5.8Tatum(テイタム)Art Tatum
WordPress 5.7Esperanza(エスペランサ)Esperanza Spalding
WordPress 5.6Simone(シモン)Nina Simone

WordPress 5.9のサーバー要件

WordPress 5.9を動作させるためには、以下の要件を推奨します。

WordPressの各バージョンにおけるPHPおよびMySQLの推奨バージョンについては、以下のページをご参照ください。

WordPress 5.9の入手方法

WordPress 5.9はダウンロードページから入手できます。

WordPressのダウンロード方法は下記の記事を説明しています。

WordPress 5.9のアップデート方法

WordPress 5.9に更新するにはダッシュボードの更新ページで今すぐ更新ボタンをクリックします。

メジャーアップデート前には必ずファイルとデータベースのバックアップをとりましょう。

更新中はメンテナンスモードになります。

WordPress 5.9のベータ版を試すには?

WordPress 5.9のベータ版を、リリース前にお試しいただけます。

ベータ版は、開発中にデータベース構造が更新されることがあります。本番のWebサイトでの使用はご遠慮ください。

以下のページを参考に、ローカル環境にWordPressをインストールしてください。

WordPress 5.9のベータ版を試すには、WordPress Beta Testerプラグインをインストールします。

WordPress 5.9の新機能と変更点

WordPress 5.9は、2022年最初のメジャーリリースです。

WordPress 5.9では、以下の新機能や変更点があります。

Twenty Twenty-Two

WordPress 5.9では、新しいデフォルトテーマ「Twenty Twenty-Two」が導入されました。

Twenty Twenty-Two

WordPress 5.9で導入されたフルサイト編集機能を利用できるブロックテーマです。

サイト内のすべてのページのカラー、タイポグラフィー、レイアウトを自由にカスタマイズすることができます。

Twenty Twenty-Twoを有効にする方法は以下の通りです。

  1. 外観をクリック
  2. 有効化をクリック
Twenty Twenty-Twoを有効にする

Twenty Twenty-Twoが有効になりました。

Twenty Twenty-Twoの有効化

Twenty Twenty-Twoのレイアウト例をご紹介します。ブログやビジネスサイト、ポートフォリオなどにおすすめです。

トップページ
トップページ
投稿ページ
投稿ページ
Aboutページ
Aboutページ
ランディングページ
ランディングページ

Twenty Twenty-Twoには、以下のようなパターンが用意されています。これらを組み合わせることで、自分の好きなレイアウトを簡単に作ることができます。

パターンエクスプローラー

フルサイト編集

WordPress 5.8では部分的な編集が可能でしたが、WordPress 5.9ではサイト全体の編集が可能なフルサイト編集(Full Site Editing:FSE)機能が導入されました。

ヘッダーからフッターまで、サイトのすべてをブロックでデザインできます。コードは必要ありません。

フルサイト編集に対応したテーマ(例:Twenty Twenty-Two)を有効にして、外観からEditor(beta)を選択します。

Editor(beta)

スタイルをクリックすると、タイポグラフィ、色、レイアウトを変更できます。

スタイル

サイトで使用されるフォントを管理します。テキストとリンクをそれぞれ設定できます。

タイポグラフィ

例えばTwenty Twenty-Twoでは、theme.jsonでSystem FontSource Serif Proが選べるようになっています。

"fontFamilies": [
    {
        "fontFamily": "-apple-system,BlinkMacSystemFont,\"Segoe UI\",Roboto,Oxygen-Sans,Ubuntu,Cantarell,\"Helvetica Neue\",sans-serif",
        "name": "System Font",
        "slug": "system-font"
    },
    {
        "fontFamily": "\"Source Serif Pro\", serif",
        "name": "Source Serif Pro",
        "slug": "source-serif-pro"
    }
]

サイト全体の背景色、グラデーションを設定します。他にもサイト全体のテキストやリンクに使用されるデフォルトの色を設定できます。

色

レイアウトではパディングを設定できます。

レイアウト

テンプレートを変更する手順は以下の通りです。

  1. テンプレート名(例:Home)をクリック
  2. Browse all templatesをクリック
テンプレート

テンプレートの一覧が表示されます。編集したいテンプレートを選択します。

テンプレートの一覧

パターンエクスプローラー

パターンをモーダルで参照できるようになりました。これにより、使用したいパターンを簡単に見つけることができます。

  1. ブロック挿入ツールを切り替えをクリック
  2. パターンをクリック
  3. Exploreをクリック
パターンエクスプローラー

パターンエクスプローラーが開きました。

パターンエクスプローラー

ブロックパターンディレクトリ

WordPress 5.8のリリース以降、ブロックパターンディレクトリに多くの作品が投稿されています。

すぐに使えるレイアウトを、コピー&ペーストするだけでWordPressサイトに追加できます。

ブロックパターンディレクトリ

リスト表示

リスト表示でコンテンツをドラッグ&ドロップで移動できるようになりました。グループを折りたたむこともできるようになりました。

リスト表示

ブロックの変更点

各ブロックに新しいオプションが追加されています。

ボタンブロック

ボタンブロック

カラムブロック

サイズコントロール(ブロックの間隔/パディング)

カラムブロック

ナビゲーションブロック

ナビゲーションブロック

グループブロック

グループブロック

カバーブロック

カバーブロック

ソーシャルアイコンブロック

ソーシャルアイコンブロック

投稿のアイキャッチ画像ブロック

投稿のアイキャッチ画像ブロック

ギャラリーブロック

ギャラリーブロックの各画像は、画像ブロックと同じツールを使用できるようになりました。トリミングやデュオトーンフィルターを設定することができます。

ギャラリーブロック

行ブロック

行に表示されるブロックが追加されました。

行ブロック

Pinterestの埋め込み

Pinterestを正式に埋め込めるようになりました。

Pinterestの埋め込み

ログイン画面での言語切り替え

ログイン画面でサイトの言語を切り替えることができるようになりました。サイトにインストールされている言語の中から選ぶことができます。

1つの言語しかインストールされていない場合は、ログイン画面にスイッチャーが表示されません。

ログイン画面での言語切り替え

以下のコードでログイン画面での言語切り替えを無効化することができます。

add_filter( 'display_login_language_dropdown', '__return_false' );

遅延読み込みの改善

画像の遅延読み込みがWordPress 5.5から導入され、iframeの遅延読み込みもWordPress 5.7から導入されました。

ページ内のimgやiframeタグにloading=”lazy”が自動的に付加されます。

ページ内の最初の画像を遅延読み込みしない場合、LCP(Largest Contextual Paint)の中央値が7%向上することが発見されました。

WordPress 5.9では、ページ内の最初の画像またはiframeが遅延読み込みされません。

遅延読み込みをさせないメディアの数を変更するには、wp_omit_loading_attr_thresholdフィルターを使用します。

以下のコードでは、遅延読み込みをスキップするメディアの数を1から3に変更します。

function change_value_skip_lazyloading( $omit_threshold ) {
    return 3;
}
add_filter( 'wp_omit_loading_attr_threshold', 'change_value_skip_lazyloading' );

開発者向けの変更点

テーマやプラグインの開発者向けに次の変更点があります。

Theme.json

theme.jsonは、WordPress 5.8で導入された、ブロックテーマのスタイルを制御するための設定ファイルです。

WordPress 5.9では、子テーマやデュオトーンフィルターなどをtheme.jsonでサポートします。

Theme.json

PHP 8.1との互換性向上

2021年11月25日にPHP 8.1がリリースされました。

WordPress 5.9 は、PHP 8.1との互換性を向上するように開発されています。お使いのテーマやプラグインがPHP 8.1に対応しているかどうか、事前にご確認ください。

新規追加された関数

新規追加されたフィルターフック

WordPress 5.9のその他バージョン

WordPress 5.9のその他バージョンのアップデート内容をご紹介しています。

次のアップデート

これからのアップデート内容は以下の記事でご紹介しています。

過去のアップデート内容

これまでのWordPressのアップデートについては、以下の記事で紹介しています。

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